キーマン条項(ロックアップ)
M&A用語
2021.8.13 years前
キーマン条項とは
キーマン条項とは、M&A完了後の一定期間、事業の継続に重要な「売り手側の経営陣や従業員」が会社に残ることを義務づけるルールです。「ロックアップ(条項)」と呼ばれることもあります。
キーマン条項は、買収後に重要な人材がいなくなることで経営状態の悪化懸念がある場合に設定されます。一定期間、社内に残って業務にあたる他、新しい経営陣や担当者への引き継ぎや育成なども行います。
キーマン条項は必ず定められるものではなく、売り手と買い手の協議で、必要に応じて設定されます。売り手側の経営陣の経営能力に問題があるなどの場合は、社内に残ってもらうことがマイナスに働きますから、定める必要はありません。
また、ロックアップ期間をどれくらいに設定するかにも注意が必要です。短すぎると引き継ぎが不充分になる一方、長すぎるとキーマンのモチベーションが低下する恐れもあります。一般的には2~3年と言われるロックアップ期間ですが、案件によって適切な期間は異なると言えるでしょう。
売り手側の経営陣を対象としてキーマン条項を定めるとき、一緒に考えておくべきなのが「アーンアウト」です。アーンアウトとは、M&A完了後の業績に応じて、「売り手が買い手に支払う追加金額」です。 キーマン条項とアーンアウトを同時に設定することで、ロックアップ期間中の業務にインセンティブをつけることになり、より良い成果を出すモチベーションにつなげられます。